新着情報

  • top
  • 新着情報
  • 英語ってどうやって学習すれば良いの? 理…

塾長の思い

英語ってどうやって学習すれば良いの? 理論を絶対的な感性へと昇華させる「シャドーイング」が目指すもの

具体的な学習方法に関し、塾長の考えをご提示するシリーズの総仕上げ。前回は、非ネイティブである私たちが英語をマスターするためには「感性」と「理論」の二つの車輪が必要であり、3つのステップを進むのが良いというお話をしました。今回は、その最終段階である、身につけた理論を再び高い次元の感性へと昇華させ、英語を無意識に自動処理できるようにするためのトレーニング「シャドーイング」が目指すものについてお話しします。

シャドーイングとは、聞こえてくる英語の音声のすぐ後ろを、影のように追いかけて発音する訓練法です。しかし、単に聞こえた通りに口真似や音真似をするだけでは、非ネイティブにとってはただの呪文の丸暗記のようになってしまい、効果を実感しにくくなってしまいます。なぜなら、頭の中に「英語の設計図(理論)」がない状態で音だけを真似しても、脳がその意味を理解して処理しきれないからです。前回お話しした、スラッシュリーディングによって、英文を日本語の語順に返り読みせず「意味のかたまり( chunk )」ごとに左から右へ流れる順のまま処理する設計図が頭にあるからこそ、このトレーニングの本当の真価が発揮されるのです。

私の個別指導では、シャドーイングを行う際、生徒の習熟度に合わせて段階的なステップを踏むようにしています。まず初期段階では、「テキストの文字を目で追わせない」ということです。多くの人が、安心感から最初に教科書の文字を見ながら音を聞こうとします。しかし、最初から文字を見てしまうと、脳は過去の記憶からカタカナ読みやローマ字読みを引っ張り出してしまい、結果としてどうしても日本語英語から抜け出せなくなってしまいます。英語本来のリズムや生の音を脳にダイレクトに刻み込むためには、まずは文字という先入観を一切捨てて、耳から聞こえたままの音をそのまま口から出す訓練に取り組むのです。

日本語英語のブロックを外した次のステップから、テキストの文字を目で追わせていきます。ここでの目的は、脳内での音と文字の一致です。文字を見ることで、「この単語の綴りは、実はこういう音として発音されるのか!」というひらめきが生徒の中に生まれます。さらに、文字の並びを見ながら音を追いかけることで、単語と単語が滑らかに繋がるリンキングの感覚が、少しずつ磨かれていくのです。

また、単語を綴りも含めて「生きた文の流れの中」で丸ごと覚えられるため、リスニングやスピーキングの対策をしながら、同時に語彙力を高めていけるというメリットもあります。文脈の中で「どんな状況で、どんなニュアンスで使われているか」をストーリーごと脳に記憶させるため、覚えた単語が長文読解や日常の英語に繋がりやすくなります。

文字を見ずに耳と口だけで英語の波を掴み、次に文字を重ねて音の正体を解き明かしながら、生きた言葉として語彙を染み込ませる。そこにスラッシュリーディングで培った設計図が噛み合うことで、英語の音と意味が脳内で結びつきやすくなります。頭の中でいちいち理屈を考えている時間が少しずつ減り、英語を英語のままで自動処理できる「英語脳」の基礎が、ゆっくりとではありますが、確実に積み上がっていくのです。

これが、私が指導の中で実践しているアプローチであり、非ネイティブが壁を越えるためのひとつの方法論です。

全5回にわたってお届けしてきた、英語学習における感性と理論のあり方。耳から入る初期の感性、大人としての脳で理解する文法の理論、探求した理論を再び高次元の感性へと昇華させる自動化のトレーニング。この車の両輪が進化しながらがっちりと噛み合い、地道な積み重ねを続けていったとき、子どもたちの前に立ちはだかっていた英語の壁は少しずつ低くなり、やがて世界へ羽ばたく強固な武器へと変わっていくはずです。塾生一人ひとりがこの本物の英語力を手に入れ、まっすぐ力強く前に進んでいけるよう、これからも現場での個別指導に全力を注ぐ所存です。